心の病問題

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 ゲーム専門学校なんぞに入学する生徒というのは、少なからず厄介だったりするのですが、その中でもトップレベルだったりするのが心の病を持っている方です。

 イヤ、精神病の方々に入学されるのが迷惑だと言っている訳ではなく、適切な対処をされていない中で来られるというのが問題でして、何分こちらもドクターではなくティーチャーでしてクランケではなくスチューデントを相手にする仕事でありまして病気に対してはド素人なモンで、何かあった時には適切な対応が出来ないというのが現実です。

 今のご時世、そういった精神疾患や障害がある方というのは珍しくもない話ではあるとは思います。本間個人だって診断を受ければ何らかの病名が付くのではないかと思われますし、若干のものであるならば少しくらい対応して勉強してもらっても良いのではないかと思うのですが、問題なのはとにかく厄介な生徒でありまして、この少子化時代の無認可専門学校の入学者数は激減の一途をたどっているワケでありまして、多少怪しいグレーゾーンな方も入学させざるを得ず、我々講師陣が砂を噛むような指導をする羽目になります。

 しかし、なんぼなんでも願書の現住所欄に入院先の精神病院の住所を書いてくる方は、さすがに入学をご遠慮いただいているわけで、地雷原を歩いて渡るに似たゲーム専門学校の生徒指導。爆発確実な不発弾を抱えて進むような無謀なマネは、そうでなくてもしたくないというのが人情というかマトモな人間の感覚であるでしょう。

 そんな心の病をお持ちな方々の中でも特に厄介なのが自傷行為をなさる生徒さんなんですけど、その中でも多いのがリストカッターです。

 僕の担当した生徒さんの中でもしばらく登校しなかったと思ったら、手首に包帯を巻いてきたりして夏場でも長袖の衣類を着てリストバンドで傷を隠すようにしていたので、最初こそドン引きしましたがその内に見慣れまして普通に対応出来るようになりました。しかし他の校舎では教室内でブッタ切っちゃう生徒がいたそうで教室の床が血まみれになったとかならなかったとかで、その対応と後始末に尋常でないご苦労があったとかという話がありました。

 また、人が多い場所にいるとお腹が痛くなるという生徒もおりまして、通常の授業が受けられずに放課後に講師室での指導を行なっていたのですが、ある日僕が駅の中で手にしたフリーペーパーに「そういった症状の方は病院に来てね病気かもよ。」みたいな記事を見つけまして、「オメーこれじゃねえの?昼間暇ブッこいてんなら病院行ってこいよ。」と言って通院を勧めてみたところ、その彼ってば素直に行きまして、問診で病状の検査を受けたらその病院で歴代患者の中で第三位に入るほどの高得点をマークしまして、加療する事と相成りました。何でもSADって言いまして社会不安障害って言ったかな?赤面症の酷いのもそれに当たるらしいんですが、現在では投薬治療で何とかなるようなことを言ってました。その後、学校に来なくなっちゃったんでどうなったかは分かりませんが、通常の社会生活を送れるようになって欲しいと思います。

 入学前に発覚するというケースもありまして、これは名古屋校での話なのですが、年の初めに営業からそれまでに決まっている来年度の新入生名簿を見せてもらったところ、僕が名古屋に赴任する前に精神系で問題を起こして辞めちゃった生徒の名前を名古屋校の古株の先生が発見しまして、その生徒さんに連絡を入れたんですよ。そしたら明るい声で

「はい!来年度からまたよろしくお願いします!」

って言われたらしいんですけど前に辞めた後に精神科に通院したのかどうか確認したところ、

いいえ。でも調子は良いんで大丈夫です。」

って言うんですけど、いやいやいや。大丈夫かどうかを決めるのは君じゃなくてお医者様でしょう!そこから入学者ノルマを達成し、学院長の激怒を回避したい営業と確定問題児の受け入れを拒否し、静かでシステマチックな教室運営を行いたい講師陣の戦いも絡みつつ本人の入学断念の為の説得を試みたのですが、最終的にはその生徒さんに

「何で私は学校に行って勉強しちゃダメなんですか!」

と言う絶叫と共に号泣されたらしいんですが、その子のお母様の適切な判断により再入学を断念していただく事に成功いたしました。

 講師として言いたいのは、精神や障害にかかわらず病気やハンディキャップがあるという方は学校に来るなということではなく、とにかく適切な加療を受けてから入学し、その情報を講師と共有してほしいということです。何度も書きますが、こちらはドクターではなくティーチャーでしてクランケではなくスチューデントを相手にする仕事でありまして病気に対してはド素人なモンで、何かあった時には適切な対応が出来ません。

 それに現在、そちら系の治療も発展しているようで投薬治療等で割と完治するような話も聞きますし、完治しないまでも上手くつき合ってゆくことも可能だそうなので、問題を感じているようでしたらトラブルになる前にもっとライト感覚で専門医に相談なさってゲームデザイナーへの勉強に勤しんだらイイと思います。

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